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運命決定論考察【現時点での見解-2023年5月】

このところ初心に帰ってホロスコープの解読学習をしていた。占星術は象徴であり天体の意味を挙げるにも大枠のイメージを捕らえるってところで既に難解であるにもかかわらず、天体同士の組み合わせとかハウスとかあれやこれや、とにかく深淵で複雑。なので実際のところ読み方に正解ってものはないのかもしれない。

ただし「それはちょっと違うかな」ということはあるだろうと思う。極端な例を挙げると、「金星はビジネスの星で水星は愛の星」なんて言った日にゃあ「はい、イチからやり直し!」と言われるのが関の山である。そういう意味では、天体・サイン・ハウスの大枠の意味を正しく捉えられているかが、チャート読みの基礎学習ができているかがまず問われるところで、このあたりを何年も掛けてうんうん唸りながら、時々反発心が湧いて離れたりしながら、今までやってきたわけだ。

最近になって、ある一つの答えが見えてきた。それは、

「未来のある特定の時点において、どういう出来事が起きるかはわからないけど、天体の配置が示すエネルギー状態を経験することになるのは確か」

ということだ。これはつまりどういう感情が沸き起こるかはあらかじめ決まっている、ということになる。

例えばごく簡略化して、未来のある時点において、出生の太陽と現行の土星が向き合う、というアスペクトを形成している、そこのみを取り出すと、その時点で「自己を表す太陽」と「試練の土星」が向き合う、つまり何かしら自分という存在へのプレッシャーを感じるような出来事が起きそうだと読める。

ただし、そこで実際に起きる出来事は、そこに至るまでの自分というベースがあってのことなので、幼少期に起きた場合と壮年期に起きた場合では出来事の大きさは異なる。幼少期であれば「友達とケンカした」とかいうようなことだったりするかもしれないし、壮年期であれば、仕事上の誠実さを試されるような出来事が起きるのかもしれない。

ただ、その時に感じるプレッシャーの度合いは同じなのだ。

人が「死にたい」と思う時、「恋人に振られて絶望した、死にたい」と「生活が八方塞がりでどうにも首が回らない、もう死にたい」とでは他人から見たらその「死にたさ」にはだいぶ差があるように思えるけれど、本人が感じている切迫感は同じなのだ。

それと同じことで、星の配置が示すエネルギーをどういう出来事を通して経験するかは、そこに至るまでに自身がどういう精神的成長を遂げているかによって変わるのではないか、ということ。

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さて、そこに今朝、一つの仮説が加わった。それは、

「感情は運命決定論、経験は自由選択」

つまり、どういった感情が沸き起こるかはあらかじめ決まっているけど、どういった出来事を経験することになるかは選択によって変化していく、ということ。

これで言うと、たとえば平凡な家庭に生まれ育ち、努力の結果高い地位に上り詰めた、という人生Aプランと、努力はしたものの平凡な一般大衆として人生を終えた、という人生Bプランがあるとして、どちらになるかは決まっていない。ただしその過程でその時々に湧き起こる感情の性質は決まっている。そこで湧き起こった感情に対してどのように向き合い、何を学び取り、どの程度の精神的成長に繋げられるかは決まっていない。それ次第で人生は異なるルートを辿ることになる。

だから「運命は決まっているのか」という問いに対しては、「決まっているとも言えるし決まっていないとも言える」というのが真実なのではないか。


ただし、「その時点においてのレベルの自分が選択し得る言動はそれしかなかった」と私は考えてきたし、今もそれについての納得感はあるので、それを採用すると結局のところすべては決まっている、ということになる。

と言っても、たとえば音楽を聴いている時とか、何かしらで湧き起こる情熱を感じている時、これがそもそも決まっていたとはちょっと考えられないな、と思ったりもする。決まっていなかったほうが熱さも感じる。


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この答えを捕まえたところで何の役に立つのかは全然わからないけど、だいぶいいところまで来てるんではないか、という感触もある。さらに探究を続けたい。

運命が決まっているのか決まっていないのか、人間に選択の余地はあるのかないのか、毎瞬選択の連続だと思っているこれは何なのか、その答えがどうであっても、結局のところ「自分と向き合い、自分の本音を知り、社会に入って節度や誠実さを意識して周囲と折り合いを付けながらできるだけ自分の望みを叶えるべく言動を選んでいくのが、人生の良き歩き方」ということには変わりがない。

なので普通はそれだけで十分なのだ。でも私は知りたい、それが私の欲求なのでやっている。

[2023-05-07 10:00]