「水星の逆行って地球から見たときそう見えるっていう話であって、自分は宇宙からの視点で見るようにしているから関係ない」と仰っている人をネット上で見かけた。
天体の逆行を説明する動画で私が気に入っているのがこちら↓
www.youtube.com
音声は消して見るのがおすすめです。左が地動説、右が天動説。
件のご意見の通り、水星逆行は天動説の世界である占星術の概念であって、地動説によるならば天体は別に軌道上をくるくる回って行きつ戻りつしているわけじゃない。だから視点を太陽に置くならば水星逆行という概念を考慮する必要がない、と言える。なるほど、学びのある考え方だなあ、と一瞬思ったけれど。
今地球上で生きているっていうことは、地球の上で物質として存在しているということで、魂は物質次元には縛られていなくて精神的にはそちら寄りであることを常に意識しているとしても、物質である側面を否定することはぜったいにできない。肉体としての生が終わるまではすべての人に「あなた(の一部)は物質です」という条件は課される。その条件からは逃れられない。
それから私が感じる水星逆行の影響とは、占星術に詳しいとか意識しているとかとは無関係に、普段通りではないことが起きやすい、ということで、そういう事態が起きたときに「偶然の出来事」と感じる人と「水星逆行の影響」と感じる人がいるだけで、主体的に水星逆行の影響を受けるか無視するかを選べるわけではないと思うのです。
占星術上の水星逆行の概念を知っていれば、そういう事態が起きたときに対処しやすいだけで、避けられるわけではない。
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これってなにげにさらに深いことを示唆しているな、と思った。
人間は人それぞれにその人が発している波長(波動 / Vibes)や思考回路、視点・視野・視座などは異なるけれど、宇宙の一部であるということと、物質的な要素を持っているということは全員に共通している。
私は「人生とは精神的成長の機会として与えられている時間」だと考えている。人生によって叶えられる目標はいろいろあるけど、突き詰めれば「精神的成長」に集約されるのではないかと思っている。ただし、上に行けるということは下にも行けるということ。上に行くほど精神的に神に近づき、下に行くほど物質次元の固く重いエネルギーに縛られる。
字義的な「スピリチュアリティ」を志向する人はたとえば清貧の思想などのように、物質よりも精神に重点を置く傾向が強いと思うけど、実際に物質として存在している以上、物質である自分を否定することはできない。だから物質的な欲望も魅力的に見えることがあり、人生の目標を物質的な欲望を叶えることに設定する、ということも起きる。それは物質次元に生を得ているからできることであって、別に不道徳というわけではない。ただし魂にとっては物質的な欲望を叶えることそのものは関心がなく、それを通して得られる精神的な学びのみが重視される。
全然うまく言葉にできないけど、要するに何が言いたいかと言うと、物質と精神のバランスが大事、ということかもしれない。どちらかを否定することはできない。物質的な存在である側面も精神的な存在であるということと同等に価値のあることなのだ。
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というわけで、水星逆行の影響は無視できるとかできないとかにかかわらず、すべての人に対してニュートラルに起こる事態であって、その受け止め方として「水星逆行だから、ではない」と考えるのは個人の自由ということになる。
ただしたとえば占星術を軽視している天文学分野の人々にとっては、まったく意味のない論題だろうとも思う。現代はそれが標準的な社会人であり、社会生活上で真剣に取り沙汰されるべきものではない、という社会通念においては、水星逆行云々と言うことも場所や相手を選ぶ必要がある。
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さて、今年最後の水星逆行もまもなく順行に転じます。
今日は串本でカイロスの打ち上げ予定が強風で延期になったそうで、前回延期になったときは水星が魚座の最終度数にいて、石井ゆかりさんは「水星は魚座では(略)翼が水に濡れて飛べない鳥、みたいなイメージ」と表現されていた(カイロスとは無関係な文面において)。
▶2024年3月、全体の空模様。|石井ゆかり
打ち上げ延期、まさにという感じだけど、延期された3月13日は水星は牡羊座に移動していたものの、<水瓶座火星(90)牡牛座天王星>と<月(90)水瓶座冥王星>が形成されていた。そして結果が「打ち上げ、即爆発」である。
今回の延期は明日打ち上げ予定らしい。水星は月曜の朝に順行、つまり明日はめっちゃ「留」、そして火星は絶賛逆行中。あんまり期待できそうにないんだけど、さて、どうなりますか。
宇宙に向けてロケットを飛ばすというのだからそろそろ内密にでも西洋占星術的な法則も考慮しても良いのではないかと占いクラスタ的には思っちゃうけど、それがご法度であることもしっかり表しているなあ、などと思いながら拝見しております。
[2024-12-14 18:00]
案の定…^^;
[2024-12-15 18:35]