N-moca DEEP

Everything should be okay because YOU ARE ALIVE.

トロピカル方式・サイデリアル方式【占星術学習ノート】

西洋占星術はトロピカル方式で、インド占星術はサイデリアル方式と呼ぶらしい。そしてその違いには地球の歳差運動が関係しているらしい。

ということまではぼんやりわかっていても、結局のところ何がどう違うのかがよくわかっていなかった。その点についてわかったことをまとめてみます。

===

まず、基本中の基本として、天文学的な知識が不可欠になる。ここでつまづいていたわけです。


夜空に浮かぶ星座

星座を構成している星は太陽と同じ「恒星」で、座標軸で言うと太陽と同じように静止している。地球から見て季節ごとに見える星座が変わるのは地球が太陽の周りを回っているからで、実際の星座を構成する星は、座標軸の同じ位置にあり、地球から見ると静止しているように見える。

地球から見て太陽と同じ向きにある星座は、昼に太陽の裏側にいるみたいな位置関係になっているので、太陽の明るさに飛ばされて見えないだけ。

そして地球は太陽の周りを回っているので、昼に太陽の裏側にいる星座も時とともに移り変わる。だから季節ごとに見える星座が変わる。地球を挟んで太陽と反対側にある星座が、夜になると見えるわけだ。

この、昼に太陽の明るさに飛ばされて見えない星座が、星占いでいう太陽星座になる。

西洋占星術では、春分点を牡羊座の0度と定め、これをスタート地点としてそこから天球を30度ずつに区切って12星座として読む。これをトロピカル方式と呼ぶ。


春分点とは

太陽の通り道(黄道)と、天球の赤道の交点が、180度対面の2箇所にできるわけだけど、これが春分点と秋分点と呼ばれる点のこと。

この春分点・秋分点は、地球の歳差運動のために、同じ座標位置に戻ってくるわけではない。


地球の歳差運動とは

地球の自転軸は、約26000年の周期で、半径23.4度の円を描くように動いている。これは、コマを回したときに、軸が回転しながら回っているのと似ている。

参考▶ワンポイントプラネタリウム 「地球の歳差運動」 - YouTube

地球をコマの本体と考えると、この歳差運動によって天球の赤道のラインも動くことになり、黄道との交点は常に一定ではなくズレが生じる。つまり春分点・秋分点も常に一定の位置にあるわけではなく、少しずつズレてくるということ。

参考▶歳差・章動と地球の向き - 国立天文台暦計算室


トロピカル方式とは

西洋占星術では春分点を牡羊座の0度に定め、そこから天球を30度ずつ区切って12星座としているが、春分点は地球の歳差運動のために少しずつズレている。

なので、現在の春分点は、実際に昼間の空に浮かんでいる牡羊座の0度にあるわけではない。Wikipediaによると、現在は魚座とか水瓶座とか論争があるらしい?このあたりは勉強不足ながら、ともかく西洋占星術が考案された当時は春分点は牡羊座の0度にあって、春分点は少しずつ西向きに後退していって魚座に入り、さらに水瓶座に向かってズレていく、ということらしい。

つまり実際の星空では黄道と天の赤道が交差するポイント=春分点=春分の日には太陽の裏側に魚座か水瓶座かがあるけれども、それはともかく西洋占星術的にはその日を牡羊座0度と定めてそこから30度ずつ12星座に区切っていくわけです。これがトロピカル方式。


サイデリアル方式とは

12星座という分け方が考案された当時、太陽の通り道である黄道の近くにある恒星を目印に12星座が分けられた。インド占星術ではこの古代の方式を採用していて、これをサイデリアル方式と呼ぶ。

春分点を12星座の始点にするのではなく、恒星という地球から見て動かない星を基準に12星座を分けているので、西洋占星術に比べると実際の星空の星座に近くなる。

ただしインド占星術においても12星座は30度ずつ区分するので、実際の星空の星座とぴったり一致するわけではない。


まとめ

トロピカル方式: 12星座のスタート地点を春分点とする
サイデリアル方式:12星座のスタート地点を黄道の近くにある恒星の位置とする

たとえば私の誕生日である1977年7月29日。

トロピカル方式を採用している西洋占星術では、春分点を牡羊座0度として天球を30度ずつに区切った時に、太陽が獅子座6度にあるので、太陽星座は獅子座になる。

サイデリアル方式を採用しているインド占星術では、黄道近くの恒星の位置を牡羊座0度として天球を30度ずつに区切り、太陽が蟹座12度にあるので、太陽星座は蟹座になる。


【参考図書】

[2023-12-14 11:45]