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自殺対策と孤独感のこと<死にたい人へ>

3月は「自殺対策強化月間」らしい。

3月は「自殺対策強化月間」です|厚生労働省

こういった取り組みって実際のところどれくらい効果を上げてるのだろう。もちろん救われる人も少なからずいるから続けられているっていうこともあるのだろうけど。

私が「死にたい人」側だった頃は、こういう取り組みは最も見たくないもの、避けたいものだった。今、当時の気持ちを思い返しながら整理してみると、たぶんこういう心境だったんじゃないかと思う。

こういう取り組みの目的は、「死にたい人」が「自分で死ぬという行為に踏み切ること」を思い留まらせようとすることと言っていいと思う。それは言い換えると、「犯罪を犯す動機を持っている人」が「犯罪という行為に出てしまうこと」を未然に防ぐこととも言える。

私のようなタイプの「死にたい人」は、繊細にそういう相手の思いを感じ取ってしまう。その結果、自分は「犯罪を犯す動機を持っているダメな人」とレッテルを貼られた上に、「犯罪を犯しかけている危険人物」として見られているような気分に陥る。

そういう自分に自信や誇りなんか持てるはずもなく、自分は恥ずかしい人間だ、人から見えないところに隠れていたい、むしろ消えてしまいたい、と感じる。

つまり、こういう取り組みって逆効果な面もある気がしている。


それから私の場合、こういうところに相談に行ったところで、自分のこういう考えが間違っているとかこういうふうに考えてみなさいとかこうしてみなさいとか指摘や指導を受けるばっかりで、結局自分のダメさが浮き彫りになるだけだったり、本当に自分の辛さをわかってもらえなかったり、結局自分と心が通じ合う人なんて存在しないんだと思ってしまったり、するんじゃないかという思いが強かった。なので全然信用していなかった。

こういった取り組みでは「一人で悩まないで」「一人で抱え込まないで」ということが強調されがちで、たしかにそれは正しいことでもあるんだけど、私の場合は話したところで相手が参ってしまって次から聞いてくれなくなる、みたいなことが何度かあり、他人に話したって無駄だ、自分でなんとかするしかない、という心境に至った。

そして自分で学びを進め、今こうして「死にたい人」だった経験を活かして「死にたい人を救いたい人」になれたので、私と同じように悩んでいる人も、自分でどうにか抜け出すことこそがその人の生きる道=「使命」や「人生の目的」かもしれない。

どうすれば当時の自分が心を開いて「この人になら相談したい」と思えるような活動ができるだろうかってことをずっと考え続けていて、まだ答えは見つかっていないんだけど、ただ一つだけどうしても伝えたいことは、「孤独を恐れるな」ということだ。

人間は支え合って生きる生き物で、「孤独」「孤立」はたしかに恐ろしい。だけど、その恐ろしさは、取り憑かれると妄想に変わるということを知っていてほしい。

ここで言っている「妄想」とは、「良くない想像、誤った推測」程度の意味に捉えてほしい。「怖い」という感情は、そこに入ってしまうと実際に「怖い」と感じるのが適当な度合い以上に「怖さ」がどんどん増幅していく。

「孤独」や「孤立」に対する恐怖感も、「自分には相談する相手もいない」とか「自分のことをわかってくれる人はいない」「自分の話を真剣に聞いてくれる人はいない」ということへの絶望感にハマってしまうと、じっさいのところ単純に一人の人間として生きているというだけの事実を超えて、それがとてつもなく劣っていて価値の無いことのように思えてくる。それはすでに妄想に変わっているのだということ。

感情は、じっさいに起きている事象から受けて然るべきである反応として現れるうちは、自分の今いる状況を教えてくれるお知らせ機能として果たされるけど、その感情、とくにネガティブな感情はそこにフォーカスしてしまうとズーム機能がうまく働かなくなり、ズームアウトが難しくなる。そのためその感情ばかりが自分を取り巻いているような錯覚に陥り、「もうダメだ!!!」と思ってしまったりするけれど、うまくズームアウトできればそれほど絶望する状況でもないことに気づけたりする。

孤独や孤立も同じで、それを絶望の根拠にしてしまっているのは自分で、冷静に見れば大体の人は大体の時間を一人で過ごしているということがわかる。それほど悲観することでもないはずなのだ。

孤独や孤立で悩んでいる時は、「天才は孤独だ」とか「孤高の存在」とか、孤独や孤立にポジティブな意味合いを見つけるべく検索したりすると結構力になってくれる。自分の今の状況が、輝かしい未来の土台として必要な経験であると信じることができれば、未来はもう輝いているも同然だ。だからどうか「孤独」や「孤立」なんかで絶望して命を捨てたりしないでほしいのです。

[2023-03-06 10:52]